3月 日記
●ジンチョウゲ 【沈丁花】
庭をみていると、ジンチョウゲ (沈丁花)の花がさきはじめていました。(2月21日、自宅庭で撮影)
3月1日現在は、満開です。
この花はジンチョウゲ科ジンチョウゲ属 学名 Daphne odora
常緑低木。チンチョウゲとも言われる。原産地は中国南部、
日本にある木は、ほとんどが雄株で雌株はほとんど見られない。赤く丸い果実をつけるが、有毒なので注意が必要である。
花の煎じ汁は、歯痛・口内炎などの民間薬として使われる。2月末ないし3月に花を咲かせることから、春の季語としてよく歌われる。
つぼみは濃紅色であるが、開いた花の内側は淡紅色でおしべは黄色、強い芳香を放つ。(HPから引用)
この日も、一日自宅で静養。といっても退屈なので録画しておいた「オーメン」というホラー映画1巻〜4巻まで見た。これだけ見ると、さすがに疲れる。それにしても反キリストをあぶり出す映画のようにも見える。9・11事件があったり、いまも中東で殺し合いが続いている場面とダブらせてしまう。確かにホラーと分かっていても一気に見てしまう迫力はある。この映画に対する批判は、あるのかどうか、知らないが、いまひとつ後味の悪い映画であった。それがロングランというから恐れ入る。
●3月16日(金)格差問題体調崩す。自宅でじっとしている。森元恒雄氏の格差問題を掲載します。
制度に内在する格差(7) ―公立病院と民間病院―
設置者の違いによって財政措置に差があるのは、学校に限りません。例えば、病院などもその一つです。
現在、都道府県や市町村が設置し、運営する病院については、様々な名目で一般会計から財政資金が投入されており、その金額は6,800億円(平成17年度決算)にのぼっています。
この一般会計による財政負担に対し、国は一定のルール(繰出し基準)を設定し、毎年度所要額を地方財政計画に計上するとともに、地方交付税による財政支援措置を講じています。
病院事業に対し、一般会計が財政負担すべきものとして国が定めている繰出し基準は、病院の建設改良費から結核・精神医療、リハビリテーション医療、周産期・小児医療、救急医療、高度医療、へき地医療に要する経費や医師・看護師等の研究研修費、保健衛生行政費、さらには付属の看護師養成所・診療所の運営費に至るまで多岐にわたっています。
地方自治体が設置・運営する病院事業に赤字が生じた場合、その赤字は設置者である地方自治体が処理せざるをえず、その方法は、通常一般会計が税金で負担する他ありません。
また、地方自治体が設置する病院の多くは、地域住民の医療を確保するため、民間では採算性が低く病院の建設が難しい地域や、民間では採択できない診療科目を中心に運営されており、繰出し基準に定められている費目は、一般会計が財政負担することに合理的な根拠があるものが大半だと思います。
問題は、民間の病院が公立病院と同じ地域、同じ診療科目、同じ診療体制をとっているにもかかわらず、その場合でも国や地方自治体からの財政支援措置が全く制度化されていないことです。
現在の地方公営企業、わけても病院事業は、民間ではできない、やらない地域・分野については、一足跳びに地方自治体がやらざるをえないとの発想に立っているように思われます。
しかし、地方自治体でなければできない事業であればともかく、地域の住民が必要とする事業を誰がどのように実施することが望ましいかを考える場合、まず第一に、民間事業者が完全に独立独歩で設置、経営すること、第二に、設置に対してのみ財政支援すること、第三に、経営に対して財政支援することの順にその適否、妥当性を検証することが望ましいことは言うまでもありません。したがって、この順に、その可能性を徹底的に追究すべきであり、地方自治体が自ら事業主体となることは、どのような事業であっても、他に採りうる方法が全くなく、真に止むをえない場合に限るべきです。
このように考えると、地方自治体が自ら病院を設置・運営した場合に限って国が財政措置する現在の仕組みは、地方自治体の判断の幅を著しく制約する大きな原因になっているように思われます。
民間の病院についても、公立病院と同様の条件の下で同様の体制を採った場合には、同様の財政支援措置を講じるべきであり、そうすることによって公立病院の民営化が促進されるものと思われます。
なお、民間の病院に財政支援する場合には、それが地方自治体に対する安易な依存体質を生むことがないよう、その具体的な方法は慎重に検討する必要があることは言うまでもないことです。(参議院議員 森元恒雄氏)
恒例になったイチゲ類の花撮影にでかけた。丹波篠山から176号線を大阪に向かうと追手神社がある。その境内にユキワリイチゲが咲いている。ただ、気温が低いため、完全な開花状態にはならず、3分開き程度であった。
そこから村の中に入ると、セリバオーレン(線香花火の最後の火玉のような花)、セツブンソウ、キクナギイチゲ(うす紫色の花)、アズマイチゲが群生している。
ニリンソウはもう少し、後で咲くという。
アズマイチゲなどの群生地は近くに住むおばさんの私有地で、いつも赤ら顔をのぞかせ花の情報を教えてくれる。「今年は天候異変で例年になく花が少ない」そうだ。
この日は、数人が花の観賞、撮影に来ていた。
このあと、4月上旬に予定しているカタクリの状況を氷上に下見に出かけた。見たところこれもいまひとつの成育状態といった感じだった。
すっかり定宿になったユニトピアささやまに投宿。10数人の泊り客であった。ここの風呂はすばらしい。翌日も追手神社に出かけ再挑戦した。つぼみ1cmの大きさだから撮影は難しい。
ユニトピアの公園には小鳥が乱舞していた。ウソとモズを撮影した。ウソは初めてであった。
久しぶりの東京です。13日午前10時に府中市に取材に行くため、前日から出かけました。午後12時30分に東京に着く。関が原が雪でのぞみが徐行運転、若干、遅れました。東京で旧友と会った。90歳を超える母親の介護が自宅ではできなくなり、3年越しにようやく特養に入居させることができたそうです。「政府は自宅介護というが、大きな住宅なら可能だろうが、団地やマンションでは無理だよ」と、話していました。介護から解放されてホッとしていたのが印象的だった。
このあと、今春、佐渡ヶ島に写真旅行に行くため、東京の新潟事務所(大阪にはないと思ったが、大阪第一ビルにあることがわかった)へ行って情報を集めました。ここは表参道にある新潟館(アンテナショップ)に観光センターがあって情報が豊富で、感じのいい若い女性が丁寧に教えてくれました。旅行の雑誌類やJTBの旅行コースにも佐渡ヶ島や新潟はほとんどないので助かりました。
一昨年、戸隠で会ったグループの方が佐渡ヶ島からの帰りで、佐渡ヶ島の花がすばらしいことを聞いたから、どうしても行きたいと思っていました。
このあと、巻頭コラムを書いている雑誌の編集長と懇談しました。彼も90歳を超える母親を抱え、介護に苦労していました。脳梗塞で倒れたため、車椅子になり、施設に入れないと奥様の介護は限界だという。
ところで、都知事の予想を聞いたところ「石原知事が優勢です。いろいろ実績を残していることが評価されている」と見ていました。都庁へ向かってホテルへ行く道中、以前はホームレスの人たちが道路沿いに並んでいましたが、いまは撤去されていました。
ホテルから見る都庁裏側の街風景は大小のビルがびっしり詰まっています。息が詰まりそうです。翌朝、京王線7:55新宿発の高山・山口行の急行で聖蹟桜ヶ丘まで約30分です。車窓から雪をかぶった富士山が見えました。東京の街はビルの壁ですが、少し離れますと富士山が見えます。東京の人たちが山といえば、いつも富士山を口にするのがわかります。それだけ身近にあるのです。
聖蹟桜ヶ丘から車で10分のところですが、ここのキーワードは富士山アと多摩川でした。この日は快晴で富士山が美しく見えました。取材もなんとか終え、帰路に着きました。
●3月11日(日)単一民族の宿命
朝の7時半からの報道2001を見ていて、ハッとさせられました。私は歴史的なことは知りませんが、いまアメリカの議会で慰安婦問題が取り上げられ、マスコミ報道されているといいます。要は先の戦争でこの問題に軍及び政府が関わったことを認め、詫びろということのようです。いま、なぜという疑問はありますが、日本人は拉致問題には熱心だが、慰安婦問題には無関心だというアメリカからの指摘です。
確かに、北朝鮮の拉致問題は決して許されない問題で、多くの日本人は同情もし、北朝鮮に対して非難もしています。横田夫妻の懸命な叫びを聞くに及んで涙がこぼれます。とくに横田夫人が美しく気品溢れる女性ですので、あのブッシュ大統領のこころも揺り動かしたのでしょう。
このため日本人全体が拉致問題の解決(進展)なくして6カ国会議の合意に日本は応じられないという政府を全面的に支持しています。それは同じ民族として100%理解できます。
ところが、アメリカの議会での慰安婦問題には、「改めて謝罪はしない。河野談話ですんでいる」という政府の態度にアメリカの有力なマスコミが社説でも非難しています。同じ人間として両方の問題とも非難されるべきだというのです。
確かに「日本人は自分たちの問題には関心を持つが、外国人のことには冷たい」と竹村健一氏は飛行機事故の報道でも乗客に日本人がいるかどうかだけを取り上げているとコメントしていました。こうした思考、行動パターンは単一民族の宿命でしょうが、世界からは理解されないと気づいたことでハッとしたのです。
私は以前、あることを書くために戦時中、軍が赤紙一枚で召集したことを調べたことがあります。国は招集の対象としない機関、企業、職業等を陸軍大臣命で振り分けました。敗戦が明白になると、すべての資料を焼却するよう命じたのです。ところが、富山県のある村の担当係長が「赤紙一枚で命を失った人たちに申し訳ない」として極秘裏に自宅の床に資料を隠し持ったのです。それが戦後50年以上経って、公にされその事実を裏付ける資料となりました。
慰安婦問題でも政府や軍が関わった証拠がないという識者がおられるが、軍はあらゆる資料を焼却しているのだから生き証人の口伝えに頼るしかないのです。この問題に政府が関わっていないと決め付けるには説得力が乏しいような気がします。
●3月10日(土)最後の歯科医院
高齢になるにしたがって体が悪化することは、遅かれ早かれ避けられないことです。私が悔やむのは歯について油断してきたことです。会社でも食事のあとにきちんと歯を磨く人、定期的に歯医者に歯の掃除にでかける人たちは、いつまでも健全な歯を維持しています。
私はその点で失格者で、いま苦しんでいます。これまで歯医者のいいのが見つからなかったことも、足が遠のく要因でした。以前、住んでいた街でいい歯医者を見つけ、転居後もなにかあったら、車で1時間余りかけて出かけていました。
ところが、最近、焼いたあじの開きを丸かじりしたところ、硬い骨のようなものを強くかんでしまいました。2日後に金属をかぶせた奥歯が途中から折れ出てきました。舌が残った歯に触れて痛く、神経が集中できなくなりました。そこで、以前から探しておいた近所の歯科医院に出かけました。
そこは隣の駅前にある歯医者で、家から徒歩で15分のところです。なぜ、そこを選んだかといいますと、駅においてある時刻表に広告を出していたからです。これまで知人に聞いたり、ランキング紹介の本で知ったところへも行きましたが、満足できませんでした。
この歯医者は金儲けのために広告を出しているだろうが、駅によく掛かっている看板でなく新鮮さを感じました。その広告にSENCE SPEED SCIENNCEと書いてありました。
果たして行って見ますと、よくある住居一体型の歯科医院でした。予約の時間9:45より早く着いてしまいました。玄関で白衣を着た小柄な歯科医のような男性がぞうきんで掃除していたのです。
「ちょっと早く着きましたが、中で待ってもいいですか」と、声をかけますと、「どうぞ、どうぞ」というのです。
後で確認できたのですが、この方がここの歯科医で一人だけです。私は医者自ら雑巾がけする姿に感心するとともに信用できると直感しました。
イスに寝かされますと、画面にはDVDの美しい風景が流されており、これからの痛みを和らげてくれます。レントゲンで撮った映像をこれに映し出して、これからの治療を説明してくれました。ついに奥歯を1本抜かれることになりました。帰りにもらった領収書には点数まで記載された詳細なものでした。料金が明朗だと一目でわかりました。ようやく、最後の歯科医院を見つけ、明るい気分になりました。
●3月9日(金)介護問題
今日、郵便局で小包を送っていると、隣の貯金の窓口から初老の女性の声が聞こえてきました。
「このままですと、定期預金ですので、6ヵ月後しか引き出せませんよ」
局の窓口の男性が確認をしていました。
「いいんです。もう死にたいのです」
女性が元気なく答えるのです。
「とんでもないですよ・・・」
男はあわてて、打ち消す。
「もう、介護に疲れました。死にたいのです」
自分の身辺のことを、この田舎の小さな(局員3人)郵便局で相談するように話す。
昨日、会った友人も「母親が動けなくなったので、特養に入れたいのだけど、
待機者が多く、入れない」と、悩みを打ち明けました。
これからは自分しか頼れないだけに、シニアの悩みはさらに噴出してくるだろう。
政府も年寄りに安心を与えてこそ、美しい国だと胸が張れるのです。
●3月8日(木)懇談
今日も引き続き、京都で友人と大手企業の秘書役3人でお好み焼き屋で懇談した。友人の引き合わせである。とくに、なにかあるということでない。6時から10時半まで飲みながら食べながらいろいろな問題を語り合った。
企業の秘書役というのは多くの情報を持っていると感心した。ひとつだけ心に留めた話があった。それはその企業の戦略である。ある商品でシェアートップのメーカーだが、これからは高級品をつくれる世界の生産工場をおさえ、自社の製品とともに世界の有力ライバルのブランド商品もつくっていくという。
生産できる工場を制すれば世界を制すという考えである。いくら自社のブランドシェアーを高めようと考えても限界があるので、この戦略をとっているそうだ。
●3月7日(水)講演を聞く
久しぶりの京都です。夕方、堀場雅夫氏(80)・堀場製作所最高顧問の話を聞きました。仕事の一貫です。ご高齢ですが、大変、お元気で話「テーマ:事業承継」も興味ある内容でした。好きな言葉として「未来は誰にも分からない、未来はそれぞれの人が思い、つくることである」と、1970年代に今日のパーソナル・コンピュータ時代を予測した(本人がそれを信じて取り組んだ)アメリカの技術者が語った話を紹介されました。
堀氏から昨日の日記についてメールが届きました。
「森林植物園、我が家から中国道の池田ICから阪神高速の箕谷ICまで高速利用しますと50分弱です。3月3日はまだオオマシコが居ましたのに残念でしたね。
私は何時もさくら園をスタートに長谷池、ブリスベーンの森等の周辺をぐるぐる回っています。オオマシコはさくら園で見ました。3月の下旬にはカタクリの花が見れるそうです。食堂の裏では福寿草が咲いていました。
カタクリの花は園の事務所に電話して咲いてるのを確認してから行こうかと思っています。」
●3月6日(火)神戸市立森林植物園
今日は晴れでしたが、風が冷たかった。神戸市立森林植物園へ出かけた。朝の9時ごろ一般道路で行ったが、到着は正午近くだった。これはいつも野鳥の写真を送ってくれる堀氏がよく行かれる公園で、一度行きたいと思っていた。この日の大人の入園者は10数人といったところ。団体の幼稚園児はちびっこ広場に向った。
確かにすばらしい公園である。とくに野鳥の森は環境大臣賞を受けているだけあって、よく整備されている。ただ、この日は時期的に遅いのか、冬鳥はほとんど見なかった。瞬間的に、ヤマガラ(と思った)が数羽、飛び交って去っていった。撮影する間がなかった。
あとは放し飼いのカモシカと、珍しい木々を見たのが収穫だった。
【カモシカは2匹いた、王子動物園と共同飼育しているそうだ=3月6日撮影】
●3月5日(月)野鳥
【毎年、純白のモクレンがこころを癒してくれます=3月5日夜撮影】
今日は朝から雨でした。この雨でモクレンは見納めです。
3時間ほど執筆したあと、先日、水中ウオーキングの指導を受けたプールへ出かけました。1時間半ほどで、引き揚げました。平日の昼時であったので、プールには10数人いただけです。
堀氏から関西では珍しいオオマシコの♂と♀の写真(2月25日)が送られてきました。うらやましいかぎりです。見事な撮影です。
「岡田 様
近場の公園では、珍しい渡り鳥が観つけられなくなりました。そんな訳で六甲森林公園へ行きました。風の冷たい日、いつもなら探鳥会かカメラマンだけは来ているはずだと思っていましたが、ほとんど人が居ません。
やっぱり野鳥が減っているのかと・・・・・。
野鳥スポットと言われるところには、我々夫婦とカメラマン一人。あたりは野鳥の声ばかり。見慣れた野鳥が飛び交っていました。
異色な野鳥が目に付きました。オオマシコです。今年、二回目。人が居ないので逃げません。近づける範囲で撮りました。
追加がありました。オオマシコの♀と思います。ミヤマホウジロも近くにいました。やはり人出が多いと鳥も出てきませんね。」
【左右ともオオマシコの♂です、近距離です=堀氏撮影】】
【オオマシコの♀(左)とミヤマホウジロ】
●3月4日(日)読書
最近、めっきり読書が減った。そのなかで衝撃を受けたのが『ふざけんな人生』(安原顕著)である。かなり赤裸々に人生を語っている。彼は金子光晴に心服している。一読をおすすめします。
府民の森・むろ池を散策しました。さすがに駐車場はいっぱいである。そこで見たアオモジの木と花は印象的だった。蝶がはやくも飛び交っていた。
【むろ池で見たアオモジ=3月4日撮影】 【アオモジの木】【蝶の名前?】
●3月3日(土)格差問題
毎日の天候が気になります。日曜日は4月上旬だそうです。梅はいまが満開です。梅の名所、月ヶ瀬も平日でも団体客でいっぱいのようです。枚岡梅林も平日にしては結構、人が来ています。
庭の白モクレンが8分咲きです。昨年より10日ほど早いようです。
参議院議員 森元恒雄氏の格差問題第6弾を掲載します。
【白モクレン 3月3日撮影】
● 制度に内在する格差(6) ―学費負担の公私間格差―
国公立の学校と私立学校とで、その学費負担に4〜5倍もの格差が生じていることについては、私自身、かねてこれを政治問題として取り上げ、その解消に向けて努力しているところです。3年前にも、このメールマガジンで詳しくお伝えしましたが、制度に内在する格差の代表的なものの一つですので、改めて簡潔に述べたいと思います。
(1)幼稚園から大学まで、そこで受ける教育内容は公私間で基本的に変わりません。また、卒業して得られる資格も全く同じです。にもかかわらず、入学金や授業料などの学費負担に4〜5倍もの格差が生じてい
ることに、何ら合理的な根拠を見出すことはできません。文部科学省に説明を求めても、納得できる回答はありません。
(2)格差の原因は、明治以降のわが国教育界の歴史的経緯に求めるしかないように思われます。植民地化を免れ、西欧列強諸国と肩を並べることのできる近代国家づくりを急ぐためには、まず何よりも義務教育か
ら高等教育に至るまで、国主導で近代的な教育体制を全国的に整備する必要がありました。このため、公教育を主体とし、あらゆる学校を国や地方自治体の手で整備、運営することになりました。私学はこれを認め
るものの、国庫による財政支援は一切行わず、自立運営すべしとの方針が採られたのです。そういう意味で、私学はいわば国公立のつけ足し的な存在でしかなかったと言えます。
(3)学校における公私間格差の不自然さは、医療や社会福祉の分野では、国の財政措置は公私とも全く同じ扱いとされており、そのような問題が存在しないことを見ても明らかです。
(4)また、望めば誰でも国公立の学校に入れる状況にない中で、これだけの格差が生じていることは放置できない問題です。
(5)国・地方を通じて財政事情が極めて厳しい状況の中でこの問題を早急に解決しようとするなら、国公立の学校と私立に投じている公費の総額を変えずに、その配分割合だけを変えることとし、国公立分を削減して、それを私学に振り向ければ足ります。しかし、その場合には、国公立の学校の入学金や授業料が一挙に数倍にはね上がり、国民の理解を得ることは極めて難しいと思われます。
(6)また、現在でもわが国の教育に対する公費投入額はOECD加盟国28カ国中27番目という状況であり、保護者の教育費負担が今でも諸外国に比べかなり重い中で、しかも、今後教育に力を入れて行かなければ
ならないにもかかわらず、保護者負担をさらに重くすることは適当でないと考えます。
(7)さらに、少子化対策の視点からも、育児や教育に対する負担をできるだけ軽減する必要性が叫ばれている中で、それに逆行するような施策は採るべきでありません。因みに、少子化先進国であるヨーロッパ諸国では、幼稚園から大学まで教育は基本的に無償であると言われています。
(8)学費負担の公私間格差の解消は、私学に対する財政支援を大幅に拡大する方向で行うべきです。公私間の格差を完全に解消すべきであるか否かについては議論があるところですが、その差はせいぜい1.5倍程
度の範囲内にとどめるべきであると思います。しかし、そのためには、巨額の財政資金が必要です。仮に私学に対する公費補助を公立並みに引き上げるとすると、幼稚園から高校までで約1兆円、大学まで含めれば
約4.2兆円が必要となります。それを実現するためには、増税によって財源を捻出するしかありません。そして、そのためには国民の合意形成が必要です。(参議院議員 森元恒雄)
●3月2日(金)拙文の紹介
春ですね。これから花が楽しみです。庭にクロッカスが咲きました。白モクレンも開花を始めました。
雪割りイチゲやカタクリの撮影にも出かけたい。
月刊誌『商工会』3月号に載りました巻頭言(3人の執筆者が輪番で書いているものです)のわたしの原稿を掲載します。ご一読いただければと思います。
【自宅の庭に咲いたクロッカス=3月1日撮影】
「後継者問題」考
大は国家から大企業、そして中小企業、さらに家業、生業、家庭に至るまでいつの時代も後継者問題は最大の関心事の一つである。大企業のサラリーマンは、人事にエネルギーの多くを使う。トップ次第で自分の人生が変わると思っているからだ。ここでは中小企業の後継者問題に絞って考えてみたい。
起業からやがて家業、企業へと発展していく。いずれの場合も理念が一番重要である。理念なき企業は単なる仕事集団にすぎない。何のために企業経営しているのかという考えを明確にもつことである。納期を守るとか、品質の確かなものを売買するなど、商売の通念的なことはやっていても、その行為が世のため人のためにどう役立つのかという信念がなければ、事業継承の意味がない。理念なき事業では後継者問題で悩むことはない。
中小企業の場合、多くは子供や親族に事業継承したいと考える。大企業でも創業者が健在か、同族企業の場合は同じ傾向である。そしてまず頭を悩ませるのが相続税の問題である。株式の評価額によっては継承できない事態も起こる。そういう問題は個々のケースで考えるしかあるまいが、平等が失敗することもある。
後継者問題で一番大事なことは、誰に継承するかである。子供でも長子相続にこだわるなら、幼少のころから意識して教育しなければ失敗する。時には兄弟ケンカになって衰退の要因にもなる。これを避けるにはできる限りパイを大きくして、コアー事業は長子相続であっても、兄弟全員が不満を持たないようにしないと、法的にも気持ちの上でもわだかまりが残り、禍根を残すことになりがちである。また創業時に安易に直系以外の親族を入れると、企業発展したあとで派閥争いになる心配もある。
問題は子供や親族に適任者がいない場合である。二百年以上の歴史を誇る清水建設も、四代目までは同族で経営していた。人材は養子縁組で確保してきた。京都の老舗には長男がいても、あえて経営者不適任だと思えば、娘婿を外部から迎え継続、発展しているところが少なくない。
なんとしても自分の子供に継がせたいと考えるのが親御心であろう。中国の古典『貞観政要』に諫議大夫の役職が大事だとある。外部のご意見番である。清水建設の場合、この役目に実業家・澁澤榮一を招き入れ耳を傾けた。澁澤は「論語とそろばん」を説き、商道徳を厳しく求めた。昨今の建設業界の談合事件をみると、今一度、澁澤榮一の忠告を思い返してもらいたい。
企業が組織で動くほど規模が大きくなれば別だが、あくまで同族スタイルで継承していくなら、後継者育成に全力を注がなければならない。そのために時を見る目、モノを見る目、そして人を見る目の三つがどれほど備わっているかが経営者の条件であり、会社が発展する要因であるという。
しかも継承するタイミングはこの三条件が一致したときで、会社が頂点に達する前のプロセスの段階で引き継がなければ、後継者は真の後継者にならない。頂点の状態で引き継げば、後継者が自信を失うことが少なくないからである。プロセスでトップの座を譲って自分は脇から見守り、失敗したら自分に問題があったと認めることが肝要であると、老舗の経営者は話す。
事業継承に決め手があるわけでなく、個々の企業によっておのずから選択肢は決まってくる。ある企業でうまくいっても、自分の企業で成功するかどうかは別問題である。少子化にともない後継者がいない場合も増えている。その場合の選択肢にM&A(企業買収)も一考に価する。廃業はたいへんであるが、M&Aなら創業利益を得て従業員も社名も継続されることが多いからだ。(月刊誌『商工会』3月号掲載)
●3月1日(木)水中ウオーキングのフォロー検査
平成17年春に水中ウオーキングの教室で学習させられた。その後、毎年、どういう状態かをチェックするため、召集する。この日は約50名(9割が女性)が市の温水プールで1時間、みっちり水中ウオーキングの体操を美人のインストラクターの指導のもと行った。そのあと、体重、血圧、お臍周りの測定、血液検査を計る。お臍周りの測定はいまやかましく言われているメタボリックシンドローム(男85p以下)のチェックのためである。かろうじてセーフであった。
今後、国保、健保が行う計画だという。こうしたことで明らかに医療費は減っているそうだから、力が入ると予想されている。